こちらの記事もお読みいただきありがとうございます。
この記事をご覧になっているということは、介護の現場で働いてらっしゃる、もしくはご家族を介護なさっているのではないでしょうか?
私自身も長年、母の介護を続けています。
実際に介護していると体力面の負担だけでなく、栄養管理などで気を遣う場面が多いですよね。
特に介護現場では、栄養バランスが偏らないように食事の工夫が求められていると思います。
「筋肉量の減少」「基礎代謝の低下」「嚥下機能の衰え」など、高齢者はさまざまな要因から栄養管理が難しくなるもの。特にタンパク質は筋肉量や各機能の維持に必要であり、適切な摂取が求められます。
これらの問題を解決してくれる食材。それが「大豆ミート」なんです。
それではもう少し具体的な活用方法や注意点についても解説していきますね!
大豆ミートが高齢者の低栄養問題を解決
大豆ミートの原料である大豆には、タンパク質や食物繊維、カルシウムが豊富に含まれています。これらは高齢者に不足しがちな栄養素。
高齢になると食が細くなったり、歯が弱くなることで食事が偏ったり、量や質が落ちることで低栄養状態になりやすくなります。
加えて高齢者には慢性的な疾患が多く、それに伴う食事制限があるため、栄養バランスを取ることが一層重要になりますよね。
私の周りでも苦労しているという話を聞くことが多い印象ですが、いかがでしょうか?
これらの問題点をカバーするためにも、大豆を積極的に摂ることが効果的なんです。
ところが、
優秀な大豆ではありますが、ちょっとした「落とし穴」が2つあります。
まずひとつめ。
調理もしやすく歯が弱ってきた高齢者にも食べやすいので人気の豆腐ですが、蒸した大豆を搾って作る豆腐には「食物繊維が含まれていない」のです。
そしてもうひとつ。
栄養価の高い納豆は、嚥下機能が弱ってくる高齢者には意外と「食べづらい食品」だったりします。
そこで、おすすめなのが大豆ミートです。
100%大豆で作られた大豆ミートなら、不足しがちな栄養素をまるっと摂ることができ、低カロリー・低脂肪でありながら食物繊維も豊富。さらに大豆タンパク質は、他のタンパク質と違い運動しなくても筋肉が作りやすい特徴を持っています。
何より、大豆ミートは硬さ調整が簡単で、嚥下状態に合せた形状にすることができるのです。
このように、介護現場で大豆ミートを活用する理由は、高齢者の栄養管理の重要性と大豆ミートの栄養価や特徴にあります。
次に、実際にあった介護現場での実例をご紹介していきますね。
大豆ミート食で旅行に行けるまでに機能が回復した男性
入院中に誤嚥性肺炎をおこし、後遺症で機能が著しく落ちてしまった男性のエピソード。
その男性は89歳で、リハビリ目的で入院をしていました。
ところが入院中に肺炎を患い40度近い高熱の影響で、認知機能と身体機能が著しく低下。それ以降リハビリを続けることが難しくなり、肺炎が落ち着いたタイミングで退院することとなりました。
食欲も減退し、すっかりやせ細ってしまった男性は、常に車いすで過ごすことを余儀なくされてしまったのです。
それまではリハビリも順調に進んでいました。
退院後の在宅用にと家族は歩行器も用意していたのですが、それは用無しとばかりに部屋の隅に追いやられてしまうことに。
しかし、この家族には強い味方がいたのです。
大豆の栄養価を十分に理解している「スペシャリスト」の存在です。
その日から嚥下機能が落ちた男性に大豆ミートを使った介護食を作って食べさせることにしました。
最初は上手に飲み込むことができません。
咳き込むことも多かったのですが、日に日に飲み込む力がついてきます。
だんだんと食事の量も増え、驚いたことに2ヶ月もする頃には歩行器で歩くまでに回復していったのでした。
体重も増えて体力も少しずつ、少しずつ戻っていったのです。
そして、退院から7ヶ月後。
なんと!90歳のお祝いにと子供たちが企画した旅行に、孫たちと一緒に出かけられるまでに回復したのです。
もちろん、ホテルの食事も皆と同じものを食べました。
もしものことを考えて大浴場を断念したことは残念でしたが、誤嚥性肺炎を起こしてげっそりやせ細った男性をみた当時の家族は、7ヶ月後に皆で旅行に行けるとは誰も想像できなかったそうです。
今回の家族には知識が豊富なスペシャリストがいたから救われました。
とはいえ、世の中には正しい知識を有したスペシャリストが圧倒的に不足しているのも事実でしょう。
介護の現場で大豆ミートの活用が増える!
大豆ミートは、調理法を工夫することで、きざみ食からペースト食まで作ることができます。
さらに、ドリンクまで作れるのです。大豆の栄養がまるっと入ったドリンクです。
豆乳には食物繊維が入っていません。
きな粉ドリンクは粉っぽくて飲みづらかったりするんですよね。
でも、大豆ミートで作るドリンクは飲みやすく、合わせるものを変えれば飽きずに美味しくいただくことができます。
調理法が幅広く、介護の状況にあわせて使いやすい。それが大豆ミート!
なので大豆ミートこそ介護の現場で使ってほしい食材ではありますが、まだまだ使いこなせる人材がいないのが現状です。
大豆ミートスペシャリストのスキルは、介護施設内での給食の提案や、家族に向けて自宅調理の指導やヘルパーへの指導が行えるようになります。
多くの介護施設で大豆ミートを積極的に取り入れてもらうためには、大豆ミートスペシャリストの活躍が欠かせません。
高齢化が進む日本に必要不可欠な存在です。
これからの日本を「食」の面から支えていくためにも、あなたの力を貸していただけないでしょうか。